昇格の瞬間まで気は緩めない。J2札幌の四方田修平監督(43)が13日、20日の最終金沢戦(札幌ドーム)での戦い方に言及した。引き分け以上なら2位清水、3位松本の結果にかかわらず、優勝と昇格が決まる。優位な立場も「狙って引き分けられるものではない。積極的な部分と自制する部分のバランスを取って戦いたい」と原則、勝利を目指し試合に臨む構えを示した。

 分析肌の知将は、勝ち点3を狙いつつ、状況に応じ、緻密なプランも組んでいく。「終盤は他チームの結果も考えながらやるべきだと思う」。90分間、むやみに勝利だけを追うような戦いはしない。清水、松本の試合状況が入ってくるように準備を整え、終盤まで同点だった場合は、確実に勝ち点1を取って逃げ切れるパターンも頭に入れる。

 残り1週間の気持ちの持ち方にも、指示を出した。この日、選手たちには「天国と地獄は裏腹。もう1試合でそうなることもありうる。ここでもう1回引き締めないと。オフの過ごし方もトレーニングもこれまでで最高の準備をしよう」と伝えた。千葉戦の劇的逆転勝利に浮かれぬよう、今日14日からの連休で気持ちを整え、疲れをほぐし、万全の態勢で最終戦に備える。

 最下位相手だが「相手もJ2残留をかけ必死でくる。難しい試合になる。自分たちはできる限りのことをしなければいけない」と油断はない。勝ってかぶとの緒を締めよ。手堅い四方田流で、確実にJ1切符を手繰り寄せる。【永野高輔】