サンフレッチェ広島が元日本代表FW工藤の決勝点で今季初勝利を挙げた。後半7分、クロスバーから跳ね返った球に頭から突っ込んだ。MLSバンクーバーから今季加入した26歳は「勝てなくて勝利に飢えていた。責任を感じていたし、広島はこんなチームじゃないと思っていた」。開幕戦以来の今季2点目。勝利の瞬間は涙がうっすらにじんだという。ガンバ大阪に圧倒的に主導権を握られ、数少ない好機を得点につなげた。

 過去5年で3度優勝の広島だが、前節で10年ぶりの4連敗を喫し、開幕から5戦未勝利は11年ぶりという不振に陥っていた。昨季得点王のFWウタカが退団、MFミキッチら故障者も続出。連動性のあるサッカーは消えていた。「こんなに勝ってなかったのは(最近では)なかった。素直にうれしい」とDF塩谷。個人技で劣る広島は、伝統の組織力で勝負していく。