「J1仕様」へチェンジ!

 ベガルタ仙台MF関口訓充(24)が今キャンプで、体重3キロ増を目安とする肉体改造に着手している。先発定着した07年以降、持ち味のドリブルと運動量を生かすため、細身の65キロをキープ。J2では問題なかったが、昨年の天皇杯でJ1勢4クラブと戦い、体力差を痛感。同じ170センチ前後の日本代表選手も参考に、68キロで開幕を迎える計画を進めている。

 今年は「速マッチョ」になる。延岡キャンプ3日目のこの日、関口は1000メートル×7本の走り込みを「限界を超えようと思って」消化した。うち2本は1000メートルを3分15秒で走る厳しい設定だったが、トップで駆け抜けてクリアした。チームメートが「吐きそう」(DF渡辺)「想像以上にヤバイ」(MF斉藤)と漏らす。だが、関口の練習は終わらなかった。

 「J1で戦うために3キロ増の68キロを目指します」。昨年の天皇杯でJ1の4クラブと対戦し「筋肉が大きくて、体の使い方に差があった」と関口。日本代表選手のデータも自らチェックした。同じ170センチのFW大久保嘉人(神戸)は73キロ、細身のFW佐藤寿人(広島)でも68キロあった。関口は「身長を考えれば、まだ自分は細い」と肉体改造を決意。昨年末に岡部智樹トレーナー(28)に相談し、十数種類の個別メニューを用意してもらった。

 この日も仲間が筋肉痛で足を引きずって引き揚げる中、自主練習した。上半身は懸垂やダンベルを使った運動、下半身はランジスクワットや、ふくらはぎを鍛えるトレーニングを行い「乳酸がたまって、しんどい。でも筋肉を太くするためなら」と体をさすった。鶏肉中心の食事、就寝前にはプロテインを摂取する。

 手倉森監督は「みんなが正規の練習で苦しむ中、関口の体は余裕がある。そこで終わらず、より高みを目指してる」と評価する。この日も最後にグラウンドを離れた関口は、朝青龍の引退に触れ「残念っす。鍛え抜いた体を見せたかったのに」。冗舌な言葉に充実感をにじませた。【木下淳】