<J1:磐田2-1清水>◇第20節◇22日◇エコパ
主役はコースケだった。磐田が4試合ぶりに先発したMF山本康裕(20)のプロ初ゴールと1アシストなどの活躍で、清水を倒した。下部組織出身で磐田生え抜きの5年目が、静岡ダービーに燃え、チーム今季初の連勝へと導いた。
20歳の若武者から歓喜のスタンドに投げキッスが飛んだ。山本康は前半23分、右サイドをドリブルで1人かわし、マイナスに蹴り込んだクロスから先制点を生んだ。圧巻は1-1で迎えた同43分、相手を背負って受けたボールを右足1タッチで反転して左足シュート。意表を突くゴールを決めた後に、初々しいパフォーマンスを見せた山本康は「ゴールの瞬間とゴールした後のことは、イメージできていた」とはにかんだ。
12年ロンドン五輪世代を担う期待の星が、ようやく輝いた。同世代屈指のボランチでジュビロの将来を担う選手として、昨季序盤から先発に定着した。だが、5月の名古屋戦で悪質なプレーを受けて右足首を負傷。戦線離脱を余儀なくされ、活躍から遠のいた。一方で、同世代の鹿島FW大迫、東京MF大竹らが次々と活躍。今季も本職のボランチ以外でのプレーが続いたが「結果を出すことでロンドンへつながる」と腐ることはなかった。
20歳ながら、忘れられない日がある。08年11月8日、U-19日本代表として7大会連続となるU-20W杯出場をかけ、U-19アジア選手権に臨んだ。しかし、準々決勝で韓国と対戦し0-3で完敗。8大会ぶりに本大会出場を逃した。その直後から、代表カラーの青い文字でその日付をスパイクに刻んだ。「みんなはどう思っているか分からないけど、あの悔しさは忘れたくなかった。でも、次はいい日を入れたい」と、誓いを胸に刻んでいた。
小学校から下部組織で育ち、06年9月に16歳10カ月25日でプロデビューしてから5年目。小さいころから夢を見ていたサックスブルーのユニホームに袖を通し、ジュビロの歓喜の輪を自らの足でつくった。「やっとジュビロの一員になれたかな」。それどころか、ど真ん中に立つ日も遠くない。【栗田成芳】




