東日本大震災で被災した地元・岩手のために-。磐田DF山本脩斗(25)の「東北魂」に火が付いた。磐田は30日、約1時間半の練習を行った。前日行われた日本代表対Jリーグ選抜の慈善試合を自宅で観戦した山本脩は、この日の練習で自分を奮い立たせていた。3対2の攻撃練習では鮮やかなループシュートを決めるなど好プレーを連発。「サッカーが与える力はすごいとあらためて実感できた。次は僕が試合に出て勇気を与えたい」と意気込みを語った。

 早期復興の思いは強まるばかりだ。盛岡商時代の恩師・斎藤重信監督(63)が、被災地復興のために尽力する30日付日刊スポーツの記事を熟読した。「監督は被災地で動いてくれている。僕も支援は続けていきたいし、今できることをやっていきたい」と決意した。

 震災直後は「サッカーどころではない」と複雑な胸中のままプレーを続けていたが、先輩の鹿島MF小笠原や、憧れの存在だったカズのプレーを見て、気持ちは吹っ切れた。「絶対に試合に出ないといけない。再開に向けて気持ちはさらに強くなった」と山本脩。もう迷いはなくなった。【神谷亮磨】