<J1:柏4-1甲府>◇第18節◇25日◇中銀スタ

 柏がFW田中順也(23)の2得点で甲府を下し、勝ち点を28に伸ばし首位をキープした。前節のG大阪戦からスタメンを3人入れ替えた。狙い通りスピードのある試合展開に持ち込み、甲府に見せ場をつくらせなかった。

 度肝を抜くミドルシュートだった。前半29分に柏FW田中が右サイドでボールを持つと迷わず狙った。およそ35メートルの距離。ワールドクラスのシュートで先制点を決めると、同34分にも左からのクロスでゴール前へ飛び込み2得点。今季8得点は得点ランク2位に浮上した。

 チームはここ3戦で1勝に、先発を変更した。それでも田中は外せない。ネルシーニョ監督も「試合で自信をつけている」と評価。あこがれの選手はインテルミラノで活躍した元ブラジル代表のFWアドリアーノ。本家に負けず劣らずの豪快ゴールに「狙って…ないです」と笑った。

 厳しい競争で新たな意識も芽生えてきた。日本代表入り。漠然としていた青いジャージーが「現実的になった」と話す。チームにはベテラン北嶋、同世代の大津、工藤とライバルが多い。「ポジションを奪われないように、プレーを整理しながらやりたい。代表に呼ばれてもおじけづかないように」。たくましい若武者が新たな目標へ突き進む。