<天皇杯:京都4-2横浜>◇準決勝◇29日◇国立

 若き京都イレブンが国立で歓喜の輪を作った。今季J2では7位だった京都が4回戦の鹿島戦に続き、格上のJ1横浜を粉砕。当時若手だった日本代表MF松井、元韓国代表MFパク・チソンらを擁して優勝した02年度以来、9大会ぶり2度目の決勝切符をつかんだ。

 ベンチ入りメンバーの平均年齢は23・3歳。試合を決めたのは2人の10代だった。延長後半11分、スルーパスに抜け出した高校3年生の2種登録FW久保裕也(18)が勝ち越しの3点目を決めると、同15分には久保のクロスに走り込んだプロ1年目19歳のMF駒井善成がダメ押しの4点目。後半ロスタイムに同点弾を許したが、途中出場の若手2人が期待に応えた。

 24日に18歳になったばかりの久保は「こんな楽しい試合はない。相手も疲れていたんで自分のほうが有利だと思った。いい形で点が取れてよかった」。リーグ戦終了後、ドイツ1部ホッフェンハイムに短期留学。よりたくましくなって帰ってきた男は国立の舞台でもひるむことはなかった。駒井も「02年に優勝した時はすごいと思ったけど、今度は僕たちが夢を与える番ですね」と笑みをこぼした。

 J2に降格した今季はリーグ戦序盤こそ低迷したが、10月19日の札幌戦以後は公式戦13勝1敗。大木監督は「負ける気はしなかった。ダメとも何とも思っていなかった」と胸を張り「サポーターの皆さんにおめでとうと言いたいが、もう1つ勝ってから」と珍しく冗舌だった。

 決勝はJリーグ発足後初となる東京とのJ2対決。今季リーグ戦では2試合とも大敗しているが、失うものは何もない。今の勢いそのままに頂点に立ち、クラブ史上初のACL切符をつかみとる。【福岡吉央】