<仙台2-2磐田>◇第5節◇7日◇ユアスタ
ラストプレーで勝ち点1をもぎ取った。仙台FWウイルソン(27)が、劇的なロスタイム同点弾でチームを救った。ロングフィードを胸で落とし、左足で鮮やかに2戦連発。MF関口訓充(26)にも615日ぶりのゴールが飛び出すなど、チームは2位磐田と一進一退の好勝負を展開。開幕からの「因縁ファイブ」を4勝1分けで乗り切り、首位をキープした。
時計は後半50分を回るところ。ロスタイムの目安5分が過ぎる。後がないラストプレーで、ウイルソンが最高の輝きを放った。ゴールを背にDF菅井のロングフィードを胸で体の右側に落とすと、素早く反転。左足でゴール右隅を射抜いた。値千金の同点弾にも派手なガッツポーズこそしなかったが、表情はここぞとばかりの“どや顔”。試合後は「相手のセンターバックを見て、胸でいいトラップができた」とうなずいた。
外国人らしからぬ勤勉さが2戦連発の源だ。手倉森監督はスカウティングでブラジル時代の映像をチェックした際「非常に献身的な守備をしている。足元に収めるキープ力と突破力もある」と、仙台で成功する可能性を感じ取ったという。さらに1月27日のチーム始動に合流した時には、全体練習後に自ら居残りでランニングを追加。指揮官を「こんな真面目な外国人はなかなかいない」と驚かせた。この日は再三惜しいシュートを放ちながら決めきれない自分にいら立ち、エキサイトして審判に食ってかかってイエローカードをもらった。珍しく感情的になる場面がありながらも前線の守備など役目を怠らず、最後の最後で巡ってきたチャンスを生かした。
チーム1点目もウイルソンの献身的なプレーから生まれた。後半30分、つぶれながら中央の関口へ決定的なパスを送り、ゴールをアシスト。リーグ初黒星の危機を救った形だが「自分のゴールで大きな勝ち点1を取れたのはうれしいけど、勝利できなくて残念」と浮かれる様子はなかった。ステーキが好物という一方で、来日後にチャレンジした牛タンはお気に召さなかったという助っ人。「(03年の仙台カップで)ブラジル代表として優勝した仙台で、プロとしてプレーしたかった。去年つらい思いをした人たちに、自分のゴールで喜びを与えたい」とハートは熱い。名物は口に合わなくても、仙台愛あふれる男がユアスタ初ゴールでサポーターのハートをガッチリつかんだ。【亀山泰宏】



