仙台MF太田吉彰(28)の“4刀流”で5月も白星発進だ。明日3日はリーグ最少4失点、ホームに限れば無敗無失点を誇る鳥栖との一戦。中2日でホーム清水戦が控えているとあって、太田は4パターンでの起用が考えられる。スタメンかスーパーサブか、さらにポジションはFWかMFか。攻撃の中核を担う男としていつでもどこでも、鳥栖の堅守をドリブルで切り裂くイメージはできている。

 2通り×2通り=4通り。チームトップタイ4ゴールの絶好調太田には、それだけ求められる役割も多くなる。1日の紅白戦では1本目をピッチの外から眺め、2本目には主力組でFWウイルソンと2トップを組んだ。「連戦なんでいろいろ試してるところだと思う。途中からなら途中からの役割があるし、与えられたところでやるだけ」。指揮官の意図をくみ取り、あらゆる起用を想定して明日の試合を見据えた。

 実際、手倉森監督の頭には複数の選択肢があるようだ。6日には中2日で清水戦が控える。「菅井を頭からいくのか途中からいくのか、松下と太田の部分、ヤナギ(柳沢)と太田の部分、それに梁の部分。(疲労を)分散させながらいきたい」と説明。特に太田はスピードが売りの選手だけに、なるべく疲れの蓄積は避けたい。右の太ももと膝の痛みが癒えたMF菅井の起用法なども含め、2連戦を乗り切るローテーションを模索している。

 J2から昇格したばかりで、堅守を武器に泥くさく戦う鳥栖。太田は「去年の仙台にちょっと似てる」と話す。手倉森監督はそんな鳥栖に対し「太田のドリブルが効くんじゃないか」と予想。期待のかかる背番号15も「ブロックで固まってきたらつなぐだけじゃなく、個人技で打開しないと。それ(が自分に求められる)は自覚してる」とこじ開ける気満々だ。先発か途中からか、本職の2列目かFW赤嶺の代役でトップに上がるかも分からない。それでも、やるべきことが見えているから戸惑いはない。【亀山泰宏】