J2札幌が来季、札幌ドームでのリーグ開催を今季の10試合から過去最多17試合前後まで増やすことを検討していることが5日、分かった。経費は増すが現在、1回800万円と高額な同ドーム使用料について、所有する札幌市と継続して折衝中。観衆増と運営費切り詰めで収入を上げ、3700万円の債務超過解消と同時に、状態のいいピッチの多用で、J1昇格にもつなげる。

 大胆な改革で経営も成績も上向かせる。クラブの野々村芳和社長(41)は「来季はドームで8割は行いたい。現在、そのために関係各所の協力を呼びかけている」と話した。Jリーグから、15年度までにホーム開催の8割を、クラブライセンス制度基準を満たす同ドーム開催にするよう指摘を受けており、来季は最大17試合、実施する方向で調整している。過去最多だった05年の12試合を大幅に上回るのは確実な状況だ。

 実現すれば観衆増も見込める。今季、札幌厚別11試合の平均6686人に対し、ドーム10試合は1万3802人。1試合約7000人の差があり、7試合増なら、単純に5万人近く増える計算だ。今季は計21万1568人を動員しており来季、同社長が掲げる来季動員25万人の目標もクリアする。

 今季、荒れたピッチで苦戦した厚別に比べ、芝の状態が良いドーム開催が増えれば、ボールをしっかりつないで崩す財前監督のサッカーにも理想的。ドーム開催は財政、戦術ともにプラス効果が多い。