<J1:C大阪0-1仙台>◇第13節◇10日◇金鳥スタ
これがベガルタの真骨頂だ。仙台がアウェーでC大阪を破り、12年4月以来2年ぶりの3連勝で降格圏を脱出した。0-0で迎えた後半38分、MF梁勇基(32)が決勝ゴール。全員が体を張ってC大阪FWフォルラン、柿谷ら強力攻撃陣を封じ、数少ないチャンスをものにした。
完璧な試合運びだった。全員が「0-0で我慢して、ワンチャンスを狙う」という意識を持ち、押し込まれても先制点は許さない。決勝点は「セレッソは後半に運動量が落ちる」という分析のもと、相手がスキを見せた瞬間に人数をかけて攻め込んだ結果だった。渡辺監督は「相手の重心を利用できた」と、してやったりの表情を浮かべた。
勝負を決めたのはベテランの判断力だった。起点は途中出場したばかりの31歳のMF佐々木勇だった。右サイドでボールを持つと「ウイルソンの動きにつられて相手DFが下がって、シンゴ(赤嶺)が(後ろに)残ってくれていた」と低いパスを選択。赤嶺からボールが来ると信じてゴール前へ走り込み、冷静にGKとの1対1を沈めた梁は「3人目の動きもイメージどおりだった」。前線の4人が絡んで相手を翻弄(ほんろう)し、一撃必殺のカウンターで仕留めてみせた。
誰もが待ちわびた背番号10の今季初ゴールは、地元大阪で生まれた。11節徳島戦ではPKを外すなど結果が出ていなかっただけに「個人的には初ゴールが遅すぎましたけどね。家族や友人が見ている前で取れてよかった」と胸をなで下ろした。サポーターも、昨年9月21日以来となる約8カ月ぶりの一撃に「リャンダンス」で喜びを爆発させた。
3連勝で14位まで浮上し、2節から沈み続けた降格圏からついに脱出した。渡辺監督が「選手の成長を感じる」と手応えをにじませれば、梁は「粘り強く守る、仙台らしいゲームだった」と言った。堅守速攻で難敵を沈める、本来の“強さ”が戻ってきたことを証明した。【鹿野雄太】



