<J1:C大阪0-0東京>◇第19節◇9日◇ヤンマー

 降格圏16位にいたC大阪はドローで順位を1つ上げて15位としたが、8戦未勝利で泥沼状態から抜け出せない。

 C大阪が泥沼から抜け出せない。東京と引き分け、これで8戦勝ちなし。95年以来となるクラブワーストタイの4戦連続無得点で、ここ15試合で1勝。チーム最多4本のシュートを放ったFWディエゴ・フォルラン(35)も結果が出ない現状に、ついに怒りを爆発させた。

 勝てないチームを象徴するシーンが起きたのは後半21分。味方が倒されてもファウルがもらえず、自身のシュートも決まらない。欲しいところにパスも来ない。いら立ちをみせていたフォルランはFW永井と途中交代すると、ベンチに蹴りを入れるしぐさをみせ、ペットボトルを蹴散らして、控えDF新井場の制止を振り切り、ロッカールームへ直行。試合後も、サポーターへのあいさつに姿を見せず、報道陣の取材にも「ノー」と答え、応じることはなかった。

 ペッツァイオリ監督はこの日、就任6試合目で初めてシステムを4-3-3から4-2-3-1に変更。レビークルピ、ポポビッチ監督時代に選手たちが慣れ親しんだ布陣で挑んだが、またも初白星はならず、就任後3分け3敗となった。

 今季19試合を終え、リーグワースト5位の19得点。攻撃陣の連係はまだ成熟段階には至っておらず、フォルランを生かしきれていない。FW南野は「そういう部分はあると思うが、やるしかないんで…。僕らは(フォルランに)合わせることよりも勝つことが大事」。指揮官は「FWは仕事ができなければ悔しい思いをあらわにすることもある。至って普通のこと。この難しい状況を抜け出すために全員で働き続けないといけない」と、ここ7試合ゴールのない助っ人をかばった。

 チームは現在、得点力不足解消のため元ドイツ代表FWカカウの獲得に乗り出しており、合意間近の模様。名古屋が敗れ、残留圏の15位に浮上しただけに、まずは白星という良薬を口にし、下位脱出のきっかけをつかみたい。【福岡吉央】