<J1:C大阪1-2神戸>◇第22節◇30日◇ヤンマー

 日本代表に初選出された若武者がゴールを決めた。神戸MF森岡亮太(23)は同点の後半ロスタイムに劇的な決勝ゴールを挙げた。

 日本代表に初選出された森岡が、全国のサッカーファンにあいさつ代わりの決勝弾だ。後半47分、ゴール前でFWペドロ・ジュニオールからのパスを受けると、左足ダイレクトで蹴り込んだ。シャイな男がど派手なガッツポーズで喜びを爆発させた。

 「何も考えず、無心で振り抜いた。体が反応して、力が抜けていいシュートでした」。この日放ったシュートは両チーム最多の5本。後半40分には相手DFからボールを奪い、GKと1対1になりながらゴールを逃したが、ラストチャンスはモノにした。

 柔らかなボールタッチからスルーパスを繰り出す司令塔。この日は前半は左MF、後半はトップ下でプレーし、ドリブルや得意のスルーパスを何度も披露して、視察に訪れた日本代表ゲリング・コーチの前で持ち前のセンスを発揮した。

 J2に降格した12年オフに、現在背負う背番号10をつけたいとフロントに直訴。昨夏に定位置をつかむと、今季は開幕から全22試合に先発。これまで神戸で期待の若手といえばFW小川やDF岩波の名前が挙がっていたが、森岡もいまや攻撃の中心としてチームに不可欠な存在だ。

 神戸はこの日の勝利で5位に浮上。森岡は最高の置き土産をチームに残し、代表合宿へと乗り込む。「これからの2週間は僕にとって分岐点になると思うし、いい経験になると思うので頑張りたい」。日の丸を背負う神戸の若き司令塔の新たな挑戦がいよいよ始まる。【福岡吉央】

 ◆森岡亮太(もりおか・りょうた)1991年(平3)4月12日、京都・城陽市出身。東城陽中-久御山高。09年にU-18日本代表候補、U-18JFA選抜入りし、高校卒業後に神戸入団。今季リーグは22試合3得点。通算71試合6得点。180センチ、70キロ。