<J2:松本1-2札幌>◇第34節◇28日◇松本

 プレーオフ圏見えた!

 札幌は2位の松本に競り勝ち、2連勝を飾った。前半12分にFW都倉賢(28)の2試合連続ゴールで先制、同24分にはMF上里一将(28)が直接FKを決め、突き放した。都倉は最近6試合で6ゴールと絶好調。チームは勝ち点を48に伸ばし10位に浮上、プレーオフ進出圏内の6位大分との勝ち差を3に縮めた。

 緑一色のスタンドをセットプレー2発で黙らせた。札幌は、まず前半12分、MF上里の左CKを都倉が頭で合わせ先制。同24分には、前田が倒されて得た直接FKを上里がゴール右隅にねじ込み2点をリード。後半8分にGK李のパスミスから1点を献上したが、2位の松本から、貴重な勝ち点3をもぎ取った。

 「目には目を」が奏功した。バルバリッチ監督(52)は「松本は守りがしっかりしているチーム。点を取るにはセットプレーがカギになると思っていた」と振り返った。松本戦前は前々日から2日連続でCK、FKのポジショニングを攻守にわたり確認。用意周到に対策を施し、セットプレーを得意とする松本反町監督のお株を奪うように、逆にセットプレーで下した。

 一気に得点源となった都倉の存在も大きい。指揮官は「ゴールを決めているだけでなく守備でもしっかりプレスにいく。チームに非常に貢献している」と評価する。8月25日の栃木戦まで4試合連続で先発から外れ、結果にも見放されていたが、監督交代後、名塚コーチが暫定指揮を執った8月31日熊本戦から6戦6ゴールと爆発している。

 好調の理由は貪欲にボールを追う、ひたむきな姿勢。前日練習後はDF陣に「厳しくなったら狙わなくてもいいから前に蹴ってくれれば何でも追いかける」と要求。今回はヘッドでの得点も、最近の6点のうち4点が、DF裏へのボールを追いかけて得たもの。高さと強さに秀でて見えるが、チームのため、絶えずプレッシャーをかけ続ける運動量こそが相手を圧迫し、連勝への流れをつくった。

 「3-4-3もみんなの特徴に合っていて役割が出しやすい。やっていて負ける気がしない。監督のサッカーを信じて全員が100%の力を出せばJ1昇格は手の中に入る」と都倉。まずは1つずつ勝って自信を積み上げ、上位との差を詰めていく。【永野高輔】