J1仙台のMF茂木駿佑(18)が貴重なゴールとFKで存在感を示した。チームは11日、キャンプ地の宮崎・延岡でJ2大分との練習試合(45分×3)を行い、1-3で完敗。守備面に課題を多く残す中、2本目途中から右サイドハーフ(SH)で出場した期待のルーキーが唯一のゴールを決め、J1の意地をみせた。

 最年少の茂木が意地の1点をもぎ取った。0-3で迎えた3本目16分、MFハモンの左クロスを右足で合わせ、ネットを揺らした。1-3の結果に、笑顔はなかったが「試合前からゴールは意識していた。ああいう形でとれてよかった」と仙台での自身“初ゴール”を振り返った。

 得意のプレースキックでも魅せた。自身の得点直後、ペナルティーエリア外中央で得たFKのシーン。「一番練習をしてきたし、俺が蹴らずに誰が蹴るんだ」と、先輩にボールを譲ることなくセット。相手GKにはじかれはしたが、放物線を描いたボールはしっかり枠内を捉えていた。FK名手は「あそこで決め切れれば…」と悔しがった。

 この日は本職のボランチではなく右SHで出場。「(右サイドバックの)ハチくん(蜂須賀)と話しながら、できることをしっかりやろうという気持ちでした」と、最後まで足を止めずハードワークを続けた。「いつもボランチで出られるわけじゃない。他の位置でやった経験を、ボランチで生かしていけたら」と貪欲だ。

 今季初のJチームとの対戦は完敗に終わったが、渡辺監督は「(チームで)上から数えた方が早いくらいの技術がある。惜しいFKもあったし、頼もしい」と茂木を評価。18歳ルーキーが輝きを放ち始めた。【成田光季】