アクロバチックに移籍1号!

 J2札幌が、沖縄・金武町陸上競技場で岐阜経大と45分3本の練習試合を行い、新加入のコロンビア人FWナザリト(24)が、1本目21分にオーバーヘッドキックで、先制ゴールを挙げた。実戦2試合目で、加入後初得点。昨季J2の34試合で17得点を挙げた期待の新大砲が、連係面を高め、3月8日の開幕戦に向け、さらに決定力を上げていく。

 187センチの巨体が宙に舞った。ナザリトは1本目の3トップ中央で先発。同21分、左MF石井のシュートがクロスバーに当たりゴール前にこぼれると、相手DFを背に、ジャンプして右足を伸ばした。「体が自然に動いた。こういう形でのゴールは記憶にないよ」。右サイドから冷静にコースを狙ったシュートは、強さはないが、ゴール前でワンバウンドし、左サイドネットに吸い込まれていった。

 格下の大学生相手ではあるが、まずはスイッチを入れることが大事。移籍後初ゴールに「きれいなゴールだったよね。とにかく点を取りたいという意識が強かったから早く取れて良かった。点を取ることで自信もついてくるから」と前向きに話した。9日の川崎F戦は、連係不足でシュートシーンはほとんどなかったが、この日はシュート4本。2本目途中まで計70分出場で、クロスを頭で合わせるなど積極的に前線でボールに絡んだ。

 周囲も徐々に特長をつかんできた。1本目に3トップ左で出場した小野は「キャンプでずっと練習してきたし、どんな感じでやりたいか分かってきた。スペースで受けるのが好きみたい。いい形で配球できるようにしたい」と話した。バルバリッチ監督は「状態は上がっている。攻守での連係を挙げれば、もっとやれる選手」と戦術面の理解が深まれば、さらに得点のペースが上がると踏んでいる。

 川崎F戦前は「60%」と話していたコンディションも、2戦目を終え「60から70%ぐらいに上がった」と順調に仕上がっていることを強調した。この日は、こぼれ球への素早い反応と高い身体能力を生かしたゴール。ここからはチームとしての動きも加味し、得点源としてのオーラを、より強く発していく。【永野高輔】