世の中、本当に不公平だ。筆者のような、しがないサラリーマンは給料日直後であっても、お金が次々と各種支払いに消えていく。

 一方、大金持ちは潤沢な資金をもとに、ふところをどんどんと肥やしていく。

 貧乏人はより貧乏に、金持ちはより金持ちになっていくのが現代なのだ。そして、そんなことをあらためて実感せざるを得ない出来事が起こった。

 プレミアリーグで創設133年目にして初優勝を飾ったレスター。日本代表FW岡崎慎司も所属するあのレスターのオーナーが、優勝決定の2日後、カジノで大勝ちしたという。

 英デーリーメール紙(電子版)によると、タイ人のスリバダナプラバ・オーナーが4日、レスター市内のカジノで250万ポンド(約3億9900万円)もの大金をもうけたという。

 同オーナーはカードゲーム(ブラックジャックなのかバカラなのか、別なものなのかは不明)に興じたようだが、4億円近いお金を得て、店を後にしたそうだ。

 海外でカジノに行ったことのある読者の方なら分かるだろうか、一般人が数万円程度の資金でブラックジャックやバカラをやっても億というもうけにはならない。どちらも基本的には勝つとかけ金が2倍になるという倍々ゲームだからだ。

 元手が数百万、数千万というスケールでやるから億というもうけになる。いくら一獲千金を狙ってカジノに行っても、一般人がカードゲームでレスターのタイ人オーナーのように勝つことは不可能なのだ(スロットマシン等でとんでもない大当たりが出たりすれば別だが)。

 スリバダナプラバ・オーナーは今季、スタジアムを訪れたサポーターに感謝の気持ちとしてビールなどを無料で提供。優勝を勝ち取った選手たちにはベンツをプレゼントすると話している。

 でもフォーブス誌によると、タイで4番目にリッチな同オーナーは、これまで免税店の経営などで32億ポンド(約5100億円)の富を築き上げてきた。

 それを考えるとサポーターや選手へのプレゼントなんてたいした金額ではない気がしてくる。選手へのベンツの代金は、カジノでの4億円のもうけでほとんどカバーできそうだし。やっぱり世の中は不公平だ。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)