2年連続での昇格を成し遂げ、今シーズン34年ぶりにブンデスリーガの舞台へ帰ってきたダルムシュタット。同クラブのディルク・シュスター監督は、練習メニューにも罰金を設けるなど、一風変わった指導者である。

 遅刻や試合前の夜遊びなど、規律違反で罰金が科せられるのはよく聞く話だが、大衆紙『ビルト』が伝えたところによると、シュスター監督はこの制度をピッチ上でも適用しているという。

 具体例を挙げると、2つのマーカーの上に棒を渡し、それを1歩ずつダッシュでまたいでいくコーディネーショントレーニングでは、足が触れ、棒を地面に落としてしまった場合、その棒1本につき4ユーロ(約550円)。さらにボールを使った練習中、股の間にボールを通されたら10ユーロ(約1360円)。そしてボール回し(通称:鳥かご)では、シュスター監督が決めた数だけパスを回されてしまった場合、中にいる鬼役に10ユーロ(約1360円)など、少額ではあるが、地味に痛い罰金が定められている。

 合計金額はシュスター監督が数え、練習が終わった後チームスタッフのミヒャエル・シュテグマイヤー氏に報告。選手は同氏に即金で支払わなければならないそうだ。

 しかし、この設定額は昨シーズンよりも2倍に跳ね上がったという。その理由について、同監督は「(1部に上がったため)選手の稼ぎも上がっているからね」と話している。

 もちろん他クラブにあるようなピッチ外での罰則も設けられており、それらの額も昨年と比べて倍になっている。例えば、ロッカールームで携帯電話が鳴った場合、以前は50ユーロ(約6800円)だったが、これが100ユーロ(約1万3600円)になった。

ところで昨季集められた罰金は結構な額になったそうで、シーズン終了後の5月末、チーム全員でマジョルカ島へバカンスに出かけるための資金となっている。

 金額が2倍になっただけに、今シーズン終了後はもう1ランク上のバケーションが可能になるかもしれない?