あろうことかドイツサッカー連盟(DFB)が、原口元気と細貝萌が所属するヘルタ・ベルリンの欧州リーグ(EL)参戦を、すっかり忘れていたようだ。


 14日、DFBは公式HPを通じ、8月19~22日に開催される今季ドイツ杯1回戦のキックオフ日時を発表。ヘルタは同20日20時45分に、ヤーン・レーゲンスブルク(3部)と対戦することになった。


 しかし、昨シーズンのブンデスリーガを7位で終えたヘルタは、今シーズンEL予選3回戦からの出場権を手にしており、7月28日と8月4日に行われるホーム&アウェーの試合を勝ち抜けば、8月18日に同大会プレーオフ第1戦を戦う予定だ。


 EL予選や同プレーオフでは、交通の便があまり良くない場所に拠点を置く小規模クラブと激突することが珍しくない。また抽選次第では、旧ソ連圏などはるか遠く離れた会場になる可能性もあり、大衆紙「ビルト」によれば、最悪の場合、試合翌日(8月19日)の夜にドイツへ戻ってくることもありうるという。


 昨今のプロサッカー界では、選手の健康悪化や、パフォーマンス低下を避けるため、試合の間を最低でも中2日は空けることが慣例となっている。しかし今回のDFBの日程発表は、それらをまったく考慮に入れておらず、パル・ダルダイ監督は「中1日でこの日程をこなすのは、決して簡単ではない。だが、クリアすることは可能だ。我々の選手層は厚く、ローテーションでやりくりすることができる」と、強気に語っていたものの、ヘッドコーチを務めるライナー・ビドマイヤーは「冗談かと思ったよ。あってはならないことだ」と、当然のごとく激怒。ベルリンの地元紙「BZ」によると、ミヒャエル・プレーツSDも「不運でしかない」と話し、DFBに苦情を入れたという。


 結果的にこの抗議が実り、DFBは発表翌日の15日に、あっさりと日程を変更。21日18時半に開催予定だったFSVフランクフルト対ウォルフスブルクの試合と、キックオフ日時を入れ替えることになり、ヘルタは2日間の休息を手に入れることが確定した。


 なお、DFBはその理由について「ヘルタがEL予選3回戦を勝ち抜けば18日にプレーオフを行う。カップ戦の日程を1日遅らせれば、彼らはコンディションを回復することができるだろう」と記していることから、同連盟がヘルタのELスケジュールを忘れていたのは、ほぼ確実なようである。