国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件やブラッター会長の辞意表明でサッカー界が揺れる中、クラブ欧州一を決める欧州チャンピオンズリーグ決勝が6日に行われるベルリンでは5日、世界各地から関係者が集まり、会談した。FIFAの現状や今後の体制が話題の中心とみられる。市中心部ポツダム広場そばにある欧州サッカー連盟(UEFA)役員が宿泊するホテルでは、あちこちで話し合う姿が見られた。

 FIFAの田嶋幸三理事は「みんなFIFAの話で持ちきりだった」と明かした。来年3月までに退く意向を示したブラッター会長の後任選びは、UEFAのプラティニ会長が鍵を握る。自身の立候補か、他候補の支援か意思を探る周囲の動きも目立った。

 FIFA次期会長の有力候補と目されるアジア・オリンピック評議会会長でクウェート王族のアハマドFIFA理事は、UEFA幹部と談笑しながら会議室に入った。ホテル内を精力的に動き回った韓国協会幹部によると、会長選出馬を「慎重に判断する」と表明した鄭夢準FIFA元副会長は5日夜にベルリンへ入り、6日にプラティニ会長と会談するという。

 2006年ワールドカップ(W杯)で日本監督を務めた元ブラジル代表のスターで、母国のテレビにFIFA会長就任への意欲を示したジーコ氏も現れ「今はサッカーにとって最悪の状況。新しいリーダーを選ぶ選挙を早くやってほしい」と早い組織再建を訴えた。