ドイツ2部ザンクトパウリが、日本代表招集歴もあるFW宮市亮(22)の獲得に乗り出していることが17日、分かった。宮市はすでに同クラブのあるハンブルク入りしているという。代理人を交えた移籍交渉は大詰めとみられる。日本の快足ウイングの新天地は何とも珍しいドクロマークで世界的にも有名なクラブとなることが、決定的になった。

 宮市は愛知・中京大中京高3年だった10年12月にプレミアの名門アーセナルと契約を結んだ。高校から直接プレミアのクラブと契約した初の日本人として、同じプラチナ世代のMF柴崎(鹿島)、FW宇佐美(G大阪)よりも早い、12年5月に日本代表で国際Aマッチデビューも果たした。

 これまでオランダ1部フェイエノールトやトウェンテ、プレミアのボルトンなど複数クラブへの期限付き移籍も経験。ただ、けがもあり、層の厚いアーセナルでは定位置をつかめず15-16年シーズンの保有選手から外れていた。欧州内で移籍先を探しており、15日に緊急渡欧していた。

 ザンクトパウリは14-15年は2部15位と低迷したが、10-11年には1部に在籍した。ブンデスリーガ関係者によると、新シーズンの昇格争いの切り札として50メートルを5秒8で走る快足アタッカーにずっと注目していたという。欧州の移籍市場では今も潜在能力は評価されており、ドイツ1部、プレミアも含めた複数クラブが獲得に乗り出していた。

 ◆宮市亮(みやいち・りょう)1992年(平4)12月14日生まれ。愛知県出身。愛知・中京大中京高からプレミアリーグのアーセナル入り。フェイエノールトやトウェンテ(オランダ)などへの期限付き移籍を経験。日本代表で国際Aマッチ2試合出場。183センチ、71キロ。

 ◆ザンクトパウリ 1910年創立。ドイツ北西部ハンブルクが本拠地で、ハンブルガーSVとのダービーが有名。熱狂的なサポーターに後押しされ人気はドイツ屈指。本拠ミラントーア・スタジアム(約3万人収容)は欧州最大ともいわれる歓楽街レーパーバーンの脇にある。リーネン監督。