ドルトムントの日本代表MF香川真司(26)が難敵レーバークーゼン戦で1ゴール1アシストと活躍した。独ビルト紙の採点で最高の「1」と評価される奮闘で、3-0の完勝に貢献した。チームは開幕5連勝で、同じく5連勝のBミュンヘンを得失点差で上回り、首位をキープした。

 瞬時の判断が光った。1点リードの後半13分。香川はゴール前でパスを受けると素早く前を向いた。「余裕がなかったので強いシュートは打てなかった。トラップしてすぐシュートという意識があった」。2人にはさまれながら、右足つま先でゴール右へ。「2点目が勝利への分かれ道だと思っていた。コロコロシュートになりましたけど入って良かった」。笑顔で振り返った。

 先制点もアシストした。前半19分、右サイドを駆け上がるホフマンへ左足のロングパス。「両サイドバックが高い位置を取った後の裏を狙えと言われてました」。普段はショートパスで崩すが、データを頭に入れた上でのロングパスだった。

 サッカー以外でも、頭に刻み込まれた出来事があった。ラグビーW杯で日本代表が優勝候補の南アフリカを倒した。14年W杯ブラジル大会で惨敗したことを思い出しながら「強豪と言われる相手に、W杯の舞台で勝ちきるというのは、彼らがその準備をしてきたということ。本当にパワーをもらった。世界から称賛を浴びているというのはすごくうれしい」と、自分のことのように喜んだ。

 これで公式戦の連勝は11まで伸びた。10月4日にはBミュンヘンとの天王山を迎える。だが、トゥヘル監督が「『どこに我々の限界があるか』ということを考えるべきではない」というように、まだまだチームの勢いは衰えそうにない。(ドルトムント=鈴木智貴通信員)