ハリルの秘密兵器が、2度目の欧州リーグ(EL)に臨む。日本代表W杯アジア最終予選予備登録メンバーに入っているMF瀬戸貴幸(30=アストラ)が、15日に1次リーグ初戦でウィーン(オーストリア)と対戦。2年ぶりに欧州の舞台に挑む。

 昨夏移籍した、トルコ・オスマンリスポルからの期限付き移籍を1年延長した。それはELに出るためだ。「ELやCLは、たった1つのゴール、プレーで人生を変えられる」。2年前、初めてのEL1次リーグ・ザルツブルク戦で初ゴールを決めた。日本でのプロ経験がないまま向かったルーマニアで、3部リーグからのし上がり昨季初優勝。今季は欧州チャンピオンズリーグ(CL)に初挑戦し予選3回戦で敗れた。

 回ったELプレーオフではプレミアリーグのウェストハムを破って出場権を獲得。「ルーマニアに行ったときはCL、ELなんて想像もしていなかった。これから自分に何が待っているか分からない」。30歳を迎えても未知なる可能性は広がっている。代表の予備登録89人の中に瀬戸の名前が入っていた。ハリルホジッチ監督に代表合宿へまだ呼ばれたことはないが「もう少しで手が届くというところまできている。もう一踏ん張り欧州で頑張りたい」と夢を現実のものにする。【栗田成芳】