FW本田圭佑が所属する北中米王者パチューカ(メキシコ)は延長戦の末にアフリカ王者カサブランカ(モロッコ)を下し、準決勝へ進んだ。

 序盤から攻められる時間が増えていたが、耐えて迎えた延長後半の得点で競り勝った。本田はトップ下で120分フル出場。終盤はメキシコ国内でプレーしている右サイドに位置を変えながら、攻撃の起点になるなど献身的にプレーした。

 試合後に取材に応じ、押される展開となったことについて「だいたいビッグゲーム1発目はこんなものなんですよね。W杯、欧州CL、クラブW杯もだけど、1発負けたら終わりという緊張感のある試合では」と振り返った。さらに「パチューカはクラブW杯に何度か出ていますけど、今回ここに来ているメンバーには(経験者は)いないんですよ、確か。そういう意味では前半、こうなるだろうなというような内容から始まって。僕はやりたいことはいくつもあったんですけど、前半のうちに全部あきらめて。今日は勝てばいいと。そんなつもりでゲームを読みながらプレーしてました」と試合中の心境を明かした。

 自身も初めてのクラブW杯。その特徴をこう捉える。「これだけ大きな大会で、1番短期決戦でしょ。そういう意味ではこんなに内容がどうでもいいくらいの大会ってないと思うんですよ」。中2日や中3日で次々と試合が訪れ、ノックアウト方式で多くてもわずか3試合で“世界一”の称号が手に入る大会。星や勝ち点の勘定や戦略などない。事実、次は早くも準決勝で、南米王者グレミオ(ブラジル)とぶつかる。「ぽーんと1発決まるようなシーンが勝つには必要。ラッキーゴールみたいなとか」と、どんな形であれ得点を奪うことが大事だと話した。

 中2日でふたたび勝てば、決勝で欧州王者レアル・マドリード(スペイン)と対戦する可能性もある。「グレミオ戦に勝ったら世界中のサッカーファンが『決勝はおもんないな』と思うんでしょうけど、僕らはそれを狙いにいく」。力強い目線でそう語った。