【バルセロナ(スペイン)4日=塩畑大輔、山本孔一通信員】これぞ俊輔効果だ。エスパニョールが、MF中村俊輔(31)に続く日本人選手を、Jクラブから獲得するプランがあることが分かった。中村が2日の親善試合リバプール戦で、先制アシストの活躍をみせたことも追い風となった。

 エスパニョールのプラネス強化部長は「日本はウチにとって面白い市場。特に若い選手たちは面白い」と腹案を明かした。5月末の中村獲得交渉の際には、中村の所属事務所に今後4年間、EU(欧州連合)外選手枠3つのうち1つを預ける案を提示するなど、日本人選手に興味を持っていた。ただスペインでの日本人の成功例がないことから、欧州での実績がない選手をJクラブから直接獲得するのは、各方面の合意を得るのが難しかった。

 だが、新本拠地コルネジャーのお披露目試合を彩った中村の活躍で、風向きは変わってきた。中村が演出した先制点の場面では、感極まって涙ぐむ幹部までいたという。中村のユニホームの売り上げが、早くも選手の中でトップクラスになるなど、マーケティング上のメリットもある。中村がリーグ戦でも活躍を続ければ、エスパニョールの「プロキシモ・ナカ(次の中村)」探しは加速。他クラブも日本人に目を向ける可能性が出てきた。

 [2009年8月5日7時31分

 紙面から]ソーシャルブックマーク