<欧州CL:(2)インテル1-0CSKAモスクワ(0)>◇6日(日本時間7日)◇決勝トーナメント準々決勝第2戦◇ルツニキスタジアム(モスクワ)※カッコ内は2戦合計得点

 【モスクワ=益子浩一】CSKAモスクワの日本代表MF本田圭佑(23)が、屈辱を味わった。ボランチで先発した欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝・第2戦のインテル戦は0-1で敗戦。2戦合計0-2で日本人初の4強進出を逃した。本田は前半2分に決定機をつくるも、2度のFK含めて無得点。自らのミスでオランダ代表MFスナイデルに決勝FK弾を献上し、後半途中に体力消耗のため交代した。バルセロナはFWリオネル・メッシ(22)の1試合4得点でアーセナルを下し、4強入りした。

 肩で息をし、両手をひざに付いた。後半18分を過ぎると、本田に反撃する力は残されていなかった。セリエA覇者インテルとの差を痛いほど感じた。前半2分に左足シュートを放ち、最初の決定機をつくった。同14、17分といずれも右45度の位置で得た得意のFKは枠の外。前半はボール支配率、シュート数とも上回ったが、90分を通じて戦う力はない。2戦合計0-2。欧州4強の壁は想像以上に高く、数字以上の完敗だった。

 本田

 (ゴールが)遠かった。この悔しさを今後、忘れることはない。点を取れないという現実を突きつけられた。チーム的にではなく、個人的にです。パワー、スピード、技術、経験、すべてインテルの方がバランスがあった。

 初めて味わう屈辱だろう。普段は自分に重圧をかけるために大言を吐く本田が、現実を直視した。前半6分には自らのミスでFKを与えてしまう。MFスナイデルが蹴ったFKは、壁の左端にいた本田の足元をすり抜けゴールへ。世界レベルでは、たった1つのミスが取り返しのつかない致命傷になる。数的不利になった後半は運動量が激減。バックパスを繰り返し、同32分に交代した。もう限界だった。

 本田

 あそこで(前へ)行ける自信と実力があればメッシでしょう。オレの頭は(前へ)行ったら(ボールを)取られるということしかよぎらなかった。

 悔しさは2カ月後のW杯で晴らすしかない。オランダ代表MFスナイデル、カメルーン代表FWエトーは1次リーグで対戦する。

 本田

 余裕でプレーされたことを、忘れてはいけない。自分を追い込みます。(W杯まで)毎日、限界を求めてやっていきます。

 日本人初の欧州4強の夢は消えた。だがこれで終わりではない。屈辱を糧に、本田ははい上がっていく。

 [2010年4月8日9時31分

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