<欧州CL:トラブゾンスポル1-0インテルミラノ>◇1次リーグB組◇14日◇ミラノ

 DF長友佑都(25)が所属するインテルミラノがホームでの1次リーグB組初戦で、格下のトラブゾンスポル(トルコ)に敗れる波乱が起きた。布陣を3バックから4バックに変更して臨み、長友も本来の左サイドバックでプレー。チームは何度も好機を迎えたが、ゴールを奪うことができず、1921年の5連敗以来90年ぶりの公式戦開幕3連敗を喫した。同組のCSKAモスクワ(ロシア)は敵地でリール(フランス)と2-2で引き分けた。MF本田圭佑(25)はケガで欠場した。

 格下相手のまさかの黒星。長友は思わずうつむきたくなるショックを振り払い、前を向いた。「負けたということはもちろん良くない。ただ1試合負けて皆が落ちるようじゃ、これから戦っていけない。こういうときにビッグクラブなりのメンタルだったり、経験をしっかり出したい」。

 この日は本来の左サイドバック。前半21分に左タッチライン際でボールを受けると、からみつく相手右MFバルシをふりほどくようにドリブル突破。長友のスピードと闘争心に客席は大拍手。イタリア各紙もチーム1、2位の高評価で、トゥット・スポルトは「少なくとも長友だけは攻撃に拍車を掛けていた」とした。

 インテル加入から9カ月で、すでに中心選手の責任感がある。8月末の移籍期間終了直前に加入した新戦力がまだチームに溶け込めず、実力を出せていないのも不振の原因。1月の移籍期限直前に加入した長友は、連係を磨く練習の不足に苦しむ彼らの気持ちが分かる。そのうえで「人が入れ替わるのは当たり前。実力があればどんなプレーヤーともやっていける。ボクが中心になるくらいの気持ちでやっていきたい」と新戦力との融和をリードすることを宣言した。【波平千種通信員】