6月30日に閉幕したコンフェデレーションズ杯は、実績ある元選手や指導者で構成する国際サッカー連盟(FIFA)の技術研究グループが各試合を分析した。フランス代表やリバプールで指揮を執ったジェラール・ウリエ氏(65)が大会の総括や、日本代表の評価などを語った。

 -今大会の印象は

 「現代サッカーは積極的な攻撃を戦術の基本軸にするチームが強い。バランスを崩すことを恐れず、危険を冒して攻めなければ勝ち上がれない。それを再確認した」

 -来年のW杯も傾向は変わらないか

 「守備的な戦い方では1試合に勝てても、優勝は無理だ。さらにブラジルの暑さは厳しい。徐々に疲れからチームはコンパクトさを保てず間延びする。そこでの組織的な動きの精度が問われる」

 -格上相手にも主導権を握ることを目指す日本の方向性は正しいか

 「プレーの質は問題ない。イタリア戦は素晴らしかったが、2-0のまま前半を終われなかった試合運びのまずさが敗因。強敵が相手だと、2点先行しても1点差にされると自信が揺らぐ」

 -日本の課題は

 「90分間全力でプレーし続けるのは不可能で、強豪は戦況を見極めたペース配分ができる。それこそ日本が今大会から学ぶべき点だ。イタリアは日本戦で狙いどころに集中した。スペイン戦もペース配分し、序盤が勝負だと決めて畳み掛けた。そこをしのいだスペインはさすがだった」

 ◆ジェラール・ウリエ

 1947年9月3日、フランス・テルアンヌ生まれ。元フランス代表監督で、リバプールや母国のリヨンなどの監督を歴任、数々のタイトルを獲得。欧州連盟(UEFA)の技術委員も務める。