ACミランのMF本田圭佑(27)が、現地で行われた入団会見を全て英語で受け答えした。ミラン移籍を決断した背景や、半年後に迫ったW杯ブラジル大会のこと、さらにはサングラスをかけている理由やミラノの街の印象などプライベートに関する質問にも、ゆっくりとした丁寧な口調で受け答えした。華々しい会見の一問一答を、お届けする。

 -イタリア入りしてから数日がたちましたが、ミラノの印象はいかがですか

 本田

 とてもワクワクしています。今は、毎日が幸せです。夢が現実になった。本当にうれしいです。

 -10番を付けることについても聞かせてください

 本田

 12歳の時に、セリエAでプレーしたいと、作文に書きました。(背番号)10番を付けたいと。本当にここに来たかったですし、10番が欲しかった。自分が何者であるかを、ピッチで示したい。私のキャリアがここで終わるのか、どうか。最後のキャリアになるかも知れません。それが今日、始まったのです。

 -どうしてミランに来ることが夢だったのですか。ここで、どのようなプレーをしたいですか

 本田

 ミランでチャンピオンになりたいと思っています。まずチャンピオンズリーグで勝ち続けること。それしか考えていない。

 -過去に所属した選手を含め、好きな選手は

 本田

 私は全ての選手を知っています。子供の頃から、ミランの試合を見てきましたから。毎週、テレビで見ました。日本でもセリエAは当時から一番有名な世界最高のリーグでした。好きな選手はたくさんいます。多くいすぎて1人を挙げることはできない。

 -ロシアで成長しましたが、次はミランで何を学びたいと考えていますか

 本田

 いろいろな期待があるのは分かっています。アシストもゴールも決めたい。そのために最善を尽くします。チームのために特別なことをして、ベストを尽くす。それしかない。

 -ミランはリーグ戦で低迷しています。しかも本田選手は登録上、今季は欧州CLには出られない。それをどう考えていますか

 本田

 先ほども言いましたように、ゴールを決める、アシストをする、そして守備もする。できることは全てやります。チームに関しては、そんなに悪いとは思っていない。私自身は今、調子がいい。どうすればチームのメンバーとうまくかみ合うかという、イメージも持っている。チームを改善させることはできる。

 -私生活の面でミラノの街に来た意味はあるか

 本田

 よく質問を受けますが、私にとって必要なことはサッカーをすること。どの街に住むかは、大きなことではない。どこに住んでも、どこでプレーをしても、しっかりと休養をとって試合に勝つためにベストを尽くす。それが私の生活にとって重要なことです。

 -どのポジションでプレーしたいですか

 本田

 私はどのポジションでもプレーできます。もし選べるならば、トップ下です。これが一番得意なポジションです。

 -本田選手の持つキャラクターは、あえてそう振る舞っているのですか

 本田

 こういう性格は、生まれついてのものです。今のような行動ができるように、自分で律してきたこともあります。

 -日本では大スターですから、大きな重圧もあるのではないですか

 本田

 自分が何をしなければいけないかは、ピッチ上で示すものです。それに、私はファッションも好きですし、子供たちに夢や勇気を与えることも、自分の使命だと思っています。常に、プロ選手としての模範を示したいです。

 -ロシアとイタリアサッカーの違いは何ですか

 本田

 イタリアのサッカーは守備的で、戦術が細かいことだと思っています。自分自身の強みは攻撃力。でも、イタリアでやる以上はディフェンス面でもサポートしないといけない。

 -ACミランを選んだ本当の理由は

 本田

 心の中で、私のリトル・ホンダに聞きました。「どこのクラブでプレーしたいんだ?」と。そうしたら、心の中のリトル・ホンダが「ACミランだ」と答えた。そういう経緯があって、ACミランに来ました。

 -普段、サングラスをかけているのは視力に問題があるのですか

 本田

 この質問は1000回以上、聞かれた気がします。これは、ただのファッションです。天気や太陽が気になるのではなく、ただファッションとしてサングラスをしています。

 -半年後のW杯には、どんな思いがありますか

 本田

 (昨年6月の)コンフェデ杯ではイタリアに負けました。W杯では、イタリアを負かしてやろうと思っています。

 -インテルの長友からアドバイスはもらったか

 本田

 イタリア人はサッカーをよく知っている。うまくいかないと、ぼろくそに言われるからと。

 -日本代表のザッケローニ監督からの助言は

 本田

 ミランは、イタリアでもトップ中のトップ。全てがトップだと、アドバイスをもらいました。

 -カカやバロテリとプレーすることは楽しみか

 本田

 カカもバロテリも世界最高クラスの選手。一緒にプレーしたいですし、彼らから学びたい。彼らとうまくプレーできれば、今年は難しいかも知れないが、来年はチャンピオンになれると思っています。<本田引用アラカルト>

 ◆心の中の○○

 本田が入団会見でACミラン移籍の決断に「心の中のリトル本田がACミランと答えたからだ」と質問に応じた。このフレーズは12年夏、アーセナルからマンチェスターUに移籍したオランダ代表FWファンペルシーが入団会見で「自分の心の中にいるリトル・ボーイに聞いたら、“ユナイテッド”と叫んだんだ」と似ている。

 ◆ケチャップ

 本田は得点について「ケチャップみたいなもの。出ないときは出ないけど、出るときはドバドバでる」と発言。この言葉は、元オランダ代表FWファンニステルローイが不調のアルゼンチン代表FWイグアインに「ゴールはケチャップみたいなものだ」と、アドバイスした言葉に類似する。