女子マラソンの前日本記録保持者・渋井陽子(30=三井住友海上)が、23日の世界選手権(ベルリン)を欠場する。19日、関係者が日本陸連に辞退届を出した。13日に千葉県内で最終調整した後、右足甲に痛みが発生。出場するつもりで16日にベルリン入りしたが、19日朝の練習でもはれがひかなかった。日本陸連の医師の診断を受け、欠場を決断した。

 4月中旬に左太もも裏や臀部(でんぶ)の付近を痛めて出遅れていたが、最近は痛みも治まり、調子が上向いていた。だが左足をかばった影響から、右足甲に負担がかかっていたとみられる。完走だけを目標にするなら強行出場もできたが、上位争いは難しいことと、将来を考えた上で、苦渋の判断を下した。

 世界選手権は男女各5人がエントリー。女子は森本友(天満屋)が補欠に入っていたが、体調不十分のため、すでに辞退。女子は尾崎好美(第一生命)藤永佳子(資生堂)加納由理(セカンドウインドAC)赤羽有紀子(ホクレン)の4人態勢で臨むことになる。

 北京五輪では、日本記録保持者の野口みずき(シスメックス)が左太もも肉離れのため、レース5日前に出場を断念。日本陸連は反省を生かして6月以降、選手に血液データを提出させたり、陸連関係者が練習を視察したりするなど、再発防止に努めてきたが、直前のアクシデントに対応しきれなかった。