陸上の世界選手権女子マラソンで銀メダルを獲得した尾崎好美(28=第一生命)が、世界記録保持者のラドクリフ(35)に挑戦状をたたきつけた。25日に帰国。成田空港で「ラドクリフと一緒に走って、そのスピードを体感してみたい」と話した。

 銀メダル獲得に「まだ信じられない」と話したが、一方でラドクリフ、ヌデレバ、ミキテンコら強豪選手が軒並み欠場したため、物足りなさもあった。「今度は有力選手がいる大会で一緒に走りたい」(尾崎)。その最大の標的にラドクリフを挙げた。

 尾崎の自己ベストは優勝した昨年11月の東京国際女子でマークした2時間23分30秒。ラドクリフが03年に出した世界記録2時間15分25秒とは約8分の大差があるが「昔は全然相手にならないと思ったけど、今は違う」と話す。世界選手権が大きな自信を植え付けた。

 次回のマラソンについては「様子を見て」と言葉を濁したが、ラドクリフの母国、英国で開催される来年4月のロンドンが有力候補に挙がっている。尾崎は「2時間20分切りを目指したい」と、野口みずきの持つ2時間19分12秒の日本記録更新も視野に入れている。山下監督も「ケガがなければ、当然そこを狙った練習をしたい」と手応えをつかんでいた。【吉松忠弘】