シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子氏(44)が、来夏の世界選手権ロンドン大会代表選考を兼ねた、さいたま国際マラソン(13日)の勝負のツボを語った。

 12日、さいたま市内で行われた同マラソンのトークイベントに北京五輪陸上女子長距離代表の赤羽有紀子氏(37)公務員ランナー川内優輝(29=埼玉県庁)と出席。コースは27kmすぎに急な坂があり、以降は起伏が続く。「30キロ手前の坂で足を使わず、30キロ以降も持つように」。坂の走り方がポイントとなるだけに、出場する選手には、自らの経験を踏まえ、独特の言い回しでアドバイス。「私は上りは子猿のように、山の中を跳ね上がっていく。子猿をイメージすると、坂があっても苦しいと思わない。下りは『私はコロコロ転がるような小石』と思うように。すると(坂でも)精神的に落ち込まない」と、Qちゃんスマイル全開だった。

 また高橋氏は「リオ五輪は男子も女子も残念な結果の印象」と言い、若手の台頭を期待。世界選手権ロンドン大会の先にある20年東京五輪も見据えて、「臨機応変に対応できる心の強い選手が出てきてもらえるような環境にしないといけない」と話した。

 2時間22分30秒を突破し、日本人1位で同選手権代表に内定となる。