立命大が独走で4連覇を達成し、松山大に敗れ2位に終わった全日本大学女子駅伝の雪辱を果たして日本一を奪還した。

富士山女子駅伝 1位でゴールする立命大7区の松本(撮影・鈴木正章)
富士山女子駅伝 1位でゴールする立命大7区の松本(撮影・鈴木正章)

 1、2区は松山大に先行されたが、3区大森菜月(4年)が区間賞の走りを見せ、中継所直前で松山大・藤原あかね(2年)をとらえてトップでトップでタスキリレー。4区の池内彩乃(4年)も区間賞を奪い、終盤にペースの落ちた松山大・古谷奏(2年)を引き離して15秒差をつけた。5区のエース区間ではライバルの松山大・中原海鈴(4年)が大失速しさらに差を広げ、名城大・赤坂よもぎ(3年)に追い上げられたが、6、7区も堅実な走りで逃げきった。


 全日本大学女子駅伝上位12校と、それ以外で7人の5000メートル記録が上位の6校、東西の地区学連選抜2チームに、オープン参加の静岡学連選抜を加えた21チームが参加。コースは今年から大幅に変更され、全長で0・4キロ伸びた43・8キロとなり、よりアップダウンの厳しいものとなっていた。

富士山女子駅伝 2位でゴールする名城大7区の玉城(撮影・鈴木正章)
富士山女子駅伝 2位でゴールする名城大7区の玉城(撮影・鈴木正章)
富士山女子駅伝 3位でゴールする松山大7区の松田(撮影・鈴木正章)
富士山女子駅伝 3位でゴールする松山大7区の松田(撮影・鈴木正章)

出場チーム

松山大、立命大、名城大、京産大、大東大、大阪学院大、日体大、東洋大、関大、福岡大、東農大、城西大(以上が全日本大学女子駅伝上位12校)、白鴎大、佛教大、大阪芸大、関西外大、玉川大、東北福祉大(以上が5000メートル記録上位6校)、東日本選抜、西日本選抜、静岡選抜(以上がオープン参加)


◆1区=4・1キロ(富士山本宮浅間神社前〜富士山本宮浅間神社前)

※20メートルの上り・20メートルの下りがある厳しいコース

午前10時、21チームが一斉にスタート。天候は晴れ、気温7・2度、湿度52%

まずリオ五輪3000メートル障害代表の松山大・高見沢安珠が先頭で集団を引っ張る。すぐ後ろに東日本選抜・出水田が付いている

◆1キロ地点 松山大が先頭で3分15秒で通過

◆2キロ地点 松山大・高見沢安珠が先頭。2位以下をやや引き離す。1キロのラップは3分22秒

◆3キロ地点 松山大が先頭。2位の立命大・佐藤が追い上げる。3位東日本選抜・出水田、4位城西大・上田。1キロラップは3分4秒

◆第1中継所 松山大が先頭でタスキリレー。2位立命大は6秒差

(1)松山大

(2)立命大

(3)城西大

(4)東日本選抜

(5)京産大

※区間賞 松山大・高見沢安珠(3年)12分42秒


◆2区=6・8キロ(富士山本宮浅間神社前〜石井鉄工所前)

※高低差98メートルの長い下り

◆1キロ地点 松山大・高見沢里歩が先頭。すぐ後ろに立命大・菅野。3位以下はやや離れた

◆1・2キロ地点 立命大が松山大をとらえ、2チームのデッドヒートが始まる

◆3キロ地点 先頭集団は松山大、立命大。3位集団は名城大、大東大、城西大、京産大

◆5キロ地点 上りで松山大が仕掛けてリードを奪い、下りで引き離す

◆5・3キロ地点 先頭の松山大と2位の立命大の差は約7秒と開く

◆第2中継所 松山大・高見沢里歩が先頭でタスキリレー。34分1秒。2位立命大は12秒差。3位に大東大が上がり31秒差。4位名城大47秒差、5位大阪学院大1分15秒差、6位京産大1分20秒差

(1)松山大

(2)立命大 +12秒

(3)大東大 +31秒

(4)名城大 +47秒

(5)大阪学院大 +1分15秒

※区間賞 松山大・高見沢里歩(1年)21分19秒


◆3区=3・3キロ(石井鉄工所前〜富士市交流プラザ前)

◆1キロ地点 松山大・藤原が先頭で通過。2位立命大・大森が差を詰めてきている

◆2キロ地点 3位大東大・小枝が2位立命大との差を詰める

◆第3中継所 残り100メートルで立命大が松山大と並ぶ。ラストスパートで立命大が先頭でタスキリレー。0秒差で松山大。24秒差の3位で大東大、50秒差の4位に名城大、1分18秒差の5位に大阪学院大

(1)立命大

(2)松山大 +0秒

(3)大東大 +24秒

(4)名城大 +50秒

(5)大阪学院大 +1分18秒

※区間賞 立命大・大森菜月(4年)10分13秒


◆4区=4・4キロ(富士市交流プラザ前〜富士市クリーンセンターききょう前)

◆1キロ地点 松山大・古谷が先頭、すぐ後ろに立命大・池内がついて先頭集団を形成

◆3キロ地点 立命大が前に出る。3位大東大もほぼ同じペースで追走

◆3・2キロ地点 松山大・古谷のペースがやや落ち、立命大・池内が引き離す。差は5秒に開く

◆第4中継所 立命大・池内がトップ独走でタスキリレー。15秒差で2位松山大

(1)立命大

(2)松山大 +15秒

(3)大東大 +1分2秒

(4)名城大 +1分13秒

(5)大阪学院大 +1分26秒

※区間賞 立命大・池内彩乃(4年)14分14秒


◆5区=10・9キロ(富士市クリーンセンターききょう前〜ジャトコ本社前)

※エース区間。海岸線(しらす街道)、古くからの富士山の景勝地・田子の浦港などを走る ほぼ平坦なコース

◆1キロ地点 立命大・和田がトップ独走、2位は松山大・中原

◆2キロ地点 トップ独走の立命大・和田の1キロラップは最初が3分23秒、次が3分22秒。やや2位松山大との差が開いたもよう

◆2・3キロ地点 4位名城大・赤坂が3位大東大・山口をとらえる。5位大阪学院大・新井も徐々に差を詰めてきている

◆4キロ地点 トップ立命大と2位松山大の差は約16秒

◆5キロ地点 トップ立命大と2位松山大の差が約19秒に開く

◆7キロ地点 立命大がトップ独走。2位松山大・中原はかなり苦しそうな表情

◆8キロ地点 単独3位に上がった名城大・赤坂が2位松山大・中原をとらえ、一気に2位浮上

◆9・3キロ地点 大阪学院大・新井が松山大・中原ととらえ3位浮上。

◆9・8キロ地点 京産大・棚池、大東大・山口も松山大・中原をかわす。松山大・中原は止まりそうになったが、気迫で再び走り出し中継所を目指す。その後も何度も倒れ込みそうになりがらも走り続ける

◆第5中継所 立命大・和田がトップ独走でタスキリレー。41秒差の2位に名城大。松山大・中原は1分44秒差の6位。タスキリレー後、倒れ込み、スタッフに抱えられて救護室へ向かった

(1)立命大

(2)名城大 +41秒

(3)大阪学院大 +59秒

(4)京産大 +1分6秒

(5)大東大 +1分12秒

※区間賞 京産大・棚池穂乃香(2年)36分29秒


◆6区=6・0キロ(ジャトコ本社前〜岡島運輸駐車場前)

※田園地帯の長い直線コース

◆2キロ地点 立命大・園田がトップ独走。2位名城大・名倉がペースを上げて詰め寄っている

◆4・5キロ地点 立命大・園田が快調にトップを独走。2位名城大・名倉はやや離れたもよう。松山大・上原が大東大・伊藤をかわし5位に浮上

◆第6中継所 立命大・園田が単独トップでタスキリレー。1分4秒差で2位名城大。松山大はラストスパートで3位まで順位を上げた。全21チームがタスキリレーし、繰り上げスタートはなし

(1)立命大

(2)名城大 +1分4秒

(3)松山大 +1分30秒

(4)大阪学院大 +1分31秒

(5)京産大 +1分32秒

※区間賞 松山大・上原明悠美(4年)19分38秒

名城大2位に貢献した6区名倉(左)4区松浦の島田出身コンビは、笑顔でVサイン(撮影・鈴木正章)
名城大2位に貢献した6区名倉(左)4区松浦の島田出身コンビは、笑顔でVサイン(撮影・鈴木正章)
ゴールする静岡県選抜7区の金子
ゴールする静岡県選抜7区の金子

◆7区=8・3キロ(岡島運輸駐車場前〜富士総合運動公園陸上競技場)

※3キロ過ぎから高低差約4・6キロで166メートルの厳しい上り。その中の源太坂(3・8キロ地点)は急激な下り区間

◆1キロ地点 立命大・松本がトップ独走

◆3キロ地点 立命大・松本がトップ独走で上り区間に入る

◆中間点 立命大・松本が14分1秒でトップ通過。2位名城大・玉城とは1分21秒差、3位松山大とは1分59秒差

◆ゴール 立命大・松本がトップ独走でゴールし、大会4連覇を達成。松山大に敗れ2位に終わった全日本大学女子駅伝の雪辱を果たした。松山大は2分13秒差の3位に終わり2冠はならなかった

(1)立命大 2時間25分43秒

(2)名城大

(3)松山大

(4)大阪学院大

(5)日体大

(6)京産大

(7)大東大

(8)東農大

(9)福岡大

(10)東洋大

※区間賞 日体大・細田あい(3年)29分48秒