<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦、プレフォンテーン・クラシック>◇2日◇米オレゴン州ユージン

 男子400メートルで、昨年のテグ世界陸上優勝者のキラニ・ジェームズ(19=グレナダ)が、フライングで失格した。しかし、本人が走ることを希望して、非公式ながら他の選手たちと一緒にスタート。10年にフライングが“一発失格”になって以降、新ルールへの抗議の意味合いも込めて失格後に走る選手が現れ始めている。

 ジェームズは300メートルまではトップを走ったが、北京五輪金メダリストのラショーン・メリット(25=アメリカ)が残り30メートル付近で逆転。メリットが44秒91で優勝し、2番目にフィニッシュしたジェームズも44秒97と速報タイム。もちろん失格を食らっているとあって、ジェームズには公式記録がなかった。

 メリットは「フライングに対してみんなが大人の対応をした。ピストルが鳴ったあとは自分の仕事をするだけだった」。ジェームズが一緒に走ったことがレースに影響しなかったことを強調。ただ、自身の走りについては「前半200メートルが予定よりも0.5秒くらい遅かった」と冷静にペース配分を分析。「今年は200メートルでも20秒16で走っているので、もっと速く走れる」とさらなる飛躍を誓った。

 いっぽう公式記録として残らないレースで、44秒台の好タイムで走ったジェームズの実力は高く評価できる。2人トップ争いは今後も続いていく。