<陸上:ジャマイカ国際招待・ワールドチャレンジミーティングス>◇第2戦◇4日◇ジャマイカ・キングストン

 地元のウサイン・ボルト(26=ジャマイカ)が欠場した男子100メートルは、タイソン・ゲイ(30=米国)が9秒86で圧勝した。2位にネスタ・カーター(27=ジャマイカ)が10秒03で、3位にデービス・パットン(35=米国)が10秒07で続いた。

 9秒69の世界歴代2位タイを持つゲイの圧勝だった。9秒86は桐生祥秀(17=洛南高)が4月29日に出した10秒01を上回る今季世界最高記録。

 「ベストのスタートではなかったけど、トラックが俺の背中を押してくれた」とゲイ。会場は好記録が生まれることで知られる“ファストトラック”だったのだ。

 シーズンが浅いこの時期の9秒86もすごいが、2位と0・17秒の大差をつけたことの方が驚きだった。カーターは9秒78の世界歴代5位を、パットンも9秒89の記録を持つ選手。接戦が予想されたが、後半でゲイが引き離した。

 ゲイは2007年世界陸上100メートルと200メートルの金メダリストだが、2008年以降はボルトらジャマイカ勢に勝てないでいる。臀部のケガで2011年6月から約1年間、競技会から遠ざかった。昨年6月に復帰したが、ロンドン五輪は4位とメダルに届かなかった。

 「故障箇所はまだ気になるが、徐々に完全に近い状態にもどっている。長い間待たされたけどもう大丈夫だ」

 2009年世界陸上(2位)以来のメダル獲得に向けて、米国のエースが好スタートを切った。