沖縄で初開催となる高校生スポーツの夏の祭典、全国高校総合体育大会(インターハイ)が28日、開幕した。

 陸上でアベックVの快挙となるか-。男子100メートルで2連覇を目指す和歌山北・九鬼巧(3年)と、昨年の女子100メートル準決勝で敗れ雪辱を誓う同校の中尾優里(3年)。30日の100メートルでインターハイ史上初となる同一校での男女優勝に挑む。九鬼は「プレッシャーはあるけど、そうなれば最高の結果」と意識した。

 九鬼はこの日の開会式を欠席し、宿舎で静養した。カナダでの世界ジュニア選手権から27日に帰国したばかり。疲労はピークだが、気持ちは前向きだ。「この経験が、今後の陸上人生に生きると思っている。今大会は疲労と自分との勝負。しっかり走れれば」と、気力で乗り切る構えだ。

 一方、中尾は開会式で和歌山選手団の旗手を務め、行進。九鬼とは対照的に今大会に照準を合わせ、厳しいトレーニングを積んできた。「(沖縄は)思っていたより涼しいし、和歌山よりいいですね」とニヤリ笑った。100メートルのほか、200メートル、走り幅跳び、400メートルリレーに出場する予定で、4種目で優勝のチャンスがある。3冠を達成すれば70年以来2人目の快挙だが、まずは100メートルに全力を注ぐ。【谷口輝博】