陸上男子100メートルで10秒01を記録した17歳の桐生祥秀(よしひで=京都・洛南高3年)を、地元の滋賀・彦根市が全面バックアップすることが4月30日、分かった。織田記念国際での日本歴代2位、ジュニア世界タイ記録から一夜明けたこの日、彦根市役所は「9秒台が出たら、何かの表彰をしないといけない。ただ日本新記録の(表彰)規定がないので早急に検討しないと…」。自己ベストを0秒18も更新した桐生の衝撃ランに驚きを隠せない。

 8月の世界選手権(モスクワ)出場が決定した場合は壮行会も行う見通し。その際は彦根市のキャラクターとして全国的人気を誇る「ひこにゃん」との異色コラボも検討される。0・01秒を争う17歳を、ゆるキャラブームの火付け役が激励。ひこにゃんは過去、ハワイと韓国・釜山に出向き、今年7月にはパリのイベントに出陣予定。同市は「パスポートはあるはずなので」と、モスクワ夏の陣も検討する構えだ。

 海外の強豪も注目している。桐生の次戦、ゴールデングランプリ(5日、国立)には自己ベスト9秒85を誇るマイケル・ロジャーズ(28=米国)も出場。ロジャーズはこの日、ツイッターで桐生に「グレートラン。もうすぐ会えるな」とツイート。桐生も「ありがとう。会えることを楽しみにしている」と応じた。同レースはロジャーズを含めて9秒台の選手3人がエントリー。強豪との激しいバトルで、日本人初の9秒台が期待される。