歴史的瞬間の準備は整いました-。陸上男子100メートルで日本人初の9秒台が期待される桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)が、6月7日開幕の日本選手権(味スタ)にエントリーしたことが15日、分かった。また会場となる東京・調布の味スタではこの日、トラックや跳躍、投てき種目を行う部分に敷き詰めていた人工芝を剥がす作業が完了。快挙達成を後押しする。

 桐生の次戦100メートル出場は、31日開幕の高校総体京都府予選(西京極)。200メートル、400メートルリレーにも出場する可能性がある。また6月13日からは同近畿大会も控えることから、体調面を考慮し日本選手権欠場も考えられる。8月の世界選手権(モスクワ)も選考基準をクリアしており「無理せず回避するのでは」とみる高校関係者もいる。

 一方で「9秒台を狙う」という桐生の言葉から、日本選手権には出るとみるむきも多い。先月29日の織田記念で出した10秒01が、超音波式風力計を使用していないため、世界ジュニア記録は未公認となる可能性が浮上。各種装置が整わなければ世界的には公認されないと分かり、桐生が大会を選ぶのでは、という見方だ。味スタは国際陸連公認の設備を完備。関係者も「桐生くんにはぜひ、日本選手権に出てほしい」とラブコールを送る。