複合個人ラージヒルで、ソチ五輪銀メダルの渡部暁斗(26=北野建設)は7位に終わった。6位のノーマルヒルに続き表彰台を逃し、所属先の監督でもある荻原健司以来、複合の日本勢8大会ぶり個人メダルはならなかった。

 1度も表彰台争いに加われないまま、渡部暁が10キロの後半距離を終えた。トップとは32秒差でのスタートに「30秒以上追いかけるのは厳しいが、最後までメダルを頭に入れてレースをする」と覚悟していたが、上位は遠かった。アップダウンが続くテクニック重視のコースに自信も抱いていたが、約30秒差の7位にとどまった。

 前半飛躍(HS134メートル、K点120メートル)で、「風が難しかった」と125メートルの111・8点で9位と出遅れた。横風を受けたとみられ、着地も右に流れた。上位進出を狙った距離では「大集団になりそう。強い選手も近くにいるのでその人たちと上を目指したい」と狙いを持っていたが、上位を追い上げる集団に加われずにレースを終えた。

 「いかに新しい渡部暁斗を見せられるか」が今大会のテーマ。残る28日の団体スプリントで、その言葉を体現したい。【松末守司】