来年のリオデジャネイロ五輪のテスト大会を兼ねたボートの世界ジュニア選手権が、水質汚染の懸念が広がる市南部ラゴアの五輪会場で行われている。

 日本勢は6日から登場し、女子シングルスカルの大門千紗選手(大分・日田林工高)は「水は汚い」と不安を抱えながら競技した。

 7月末に会場の湖が「スプーン3杯分の水が体内に入ればウイルスに感染する危険性が99%」と報道され、国際ボート連盟は各参加チームに「水質検査で非常に厳しい数値が出た。レース後は入念なシャワーが必須」と説明した。日本チームの稲垣喜彦監督も「過去にそんなことを言われたことはない」と心配そうだった。

 ゴール付近の観客席からは汚れの度合いが分からないが、大門選手は「スタート地点は臭う。ボートの中に置く飲料水は、飲む前に(ボトルの)口元を拭いて気をつけた」と苦笑いで語った。過去に遠征した韓国やドイツ、スイスと比べて汚染がひどいと感じたという。

 五輪組織委員会は、従来の大腸菌群だけでなくウイルスも対象とした水質検査を検討し始めた。担当者は「国際オリンピック委員会(IOC)とも非公式に話し合った。要請があれば実施する用意はある」と述べた。