世界128位の西岡良仁(19=ヨネックス)が、4大大会3度目の本戦で初勝利を挙げた。元12位のマチュー(フランス)に6-4、2-6、6-7、6-1、6-2のフルセットで勝った。日本男子の4大大会では、08年全米の錦織圭(18歳7カ月)に次ぐ10代での本戦勝利となった。

 西岡は日本男子史上2番目に若い19歳で4大大会初勝利を挙げた。今大会に出場した128人中、10代は9人。そのうち、1回戦を突破したのは2人だけ。新星には狭き門だ。

 小兵の西岡には独特のプレーがある。野球のナックルボールのように、揺れる球を送り、その後にカウンターを見舞う。そのカウンターも速球ではないが、最初にえさをまくナックルがあるから、相手のリズムがずれて決まる。サーブも回転とコントロールで緩急をつけ、弾む方向も変える。

 18歳でツアー初優勝を遂げ、小柄といわれる錦織とも違うテニスだ。意外性のプレーといわれた錦織だが、ショットの質は王道で、その使い方で意表を突いた。しかし、西岡はショット自体が独特。誰にもまねできないような球質で、相手のリズムを崩していく。小兵が勝つために身につけたオリジナルのスタイルだ。