女子バスケットボールWリーグのシャンソン化粧品が、審判員の平育雄氏を静岡地裁に提訴したことが25日までに分かった。昨年11月29日のデンソー戦で審判が判定を覆したことが発端。問題を公にし、再発防止を図るため、あえて主審だった平氏を提訴した。

 試合は53-53で迎えた第4Q終了直前、シャンソンの三好がファウルを受け、一度はフリースローの判定が下された。だがファウルを告げる審判の笛より、第4Q終了を告げるブザーが先に鳴ったと、フリースローの判定が覆された。シャンソンは延長戦で敗れた。

 シャンソン側はその場で抗議したが受け付けられなかった。試合映像を見直し、審判の笛は終了のブザーの前に鳴ったと確認。女子日本リーグ機構(WJBL)に検証を求める意見書を提出し、誤審と判断した場合は謝罪と審判員への処分も求めたが、WJBLは「審判の判定は最終的なもの」と取り合わなかった。

 12月にはシャンソンの川村修社長がスポーツ庁に出向き、鈴木大地長官に審判問題を説明。日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立てる方法もあったが、試合判定の仲裁はしないため断念していた。審判制度の抜本的な改革のきっかけにするためにも、提訴という行動に出たようだ。