ノルディックスキーのW杯ジャンプ男子は24日、スロベニアのプラニツァでフライングヒルによる個人第25戦(ヒルサイズ=HS225メートル)が行われ、第24戦で2位となってW杯最年長表彰台記録を更新した葛西紀明(44=土屋ホーム)は221メートル、235・5メートルの合計453・3点で4位だった。伊東大貴(雪印メグミルク)は11位、竹内択(北野建設)は27位で、2回目に進めなかった小林陵侑(土屋ホーム)は34位。25日に同地で行われた団体最終第6戦で、小林、竹内、伊東、葛西の日本は、合計1327・7点で6位だった。

 愛する家族の応援を力に、葛西が2戦連続の表彰台まであと1歩に迫った。1歳の娘、璃乃ちゃんが、妻怜奈さん(32)とともに海外の試合に初めて応援に来た。「やっぱりパワーが違う。いいところを見せたいじゃないですか」とパパの意地を示し、2回目の大飛躍で観客を盛り上げた。

 昨季前人未到のW杯通算500試合出場を果たした会場で、得意のフライングヒルだった。1回目は踏み切り時に時速107・5キロも出て「びびって上に行っちゃった。ゴルフと同じで俗に言うてんぷら」と距離を伸ばせなかったが、助走スピードが戻ったのは復調の証し。自信を持って飛んだ2回目は大歓声も「聞こえなかった」という集中力を発揮し、ヒルサイズを10・5メートル越えた。「たまには優勝争いできるようなジャンプになってきた」と口も滑らか。妻子の前で最終戦の表彰台に立てば、平昌五輪が控える来季へ最高の形でシーズンを締めくくれる。