18年平昌五輪代表有力候補の本田真凜(15=大阪・関大高)が11日、大阪・高槻市の練習場で現役引退を表明した浅田真央への尊敬の念を語った。前夜は眠りにつこうとしたところで一報を聞き「ビックリし過ぎて、全然眠れなかった。すごく寂しい気持ちです」としんみり。浅田が2連覇を達成した07年の全日本選手権に思いをはせた。

 当時6歳の本田は「真央ちゃんを見たくておねだりした」と大阪での同選手権を観戦。「同じグループで滑りたい」と夢ができた。スマートフォンには浅田の写真を集めたフォルダーを作り、昨年は世界ジュニア選手権初出場初優勝と先輩が歩んだ道を追った。幼心に抱いた夢は9年後、同じ大阪で実現。12月の全日本選手権で同グループになると「自分の練習より、真央ちゃんの曲かけを見ていた」とくぎ付けになった。

 時々かけられる「頑張ってね」という励ましが、うれしかった。平昌五輪を目指す本田は、浅田と入れ替わる形で来季からシニアに上がる。次世代への期待による重圧は「(浅田と)比べものにならないので、全然それはない」と正直に漏らし、誓った。「真央ちゃんに憧れたように、少しでも憧れてもらえる選手になりたい」。バトンは力強く受け継いだ。【松本航】