2連敗で1次リーグ敗退が決まった大阪・金蘭会高の宮部愛芽世(あめぜ、15)が強烈な存在感を放った。

 今春入学した1年生ながら、力強いスパイクで社会人のレシーブをはじき飛ばす場面もあった。身長173センチの“大型ルーキー”は「昨日(2日の日立戦)も1セット。2セット以上取るのが目標だったけれど…。落としたセットもいいところもあった」と初々しく振り返った。

 同校2年時に日本代表入りし、20年東京五輪の有力候補として挙げられる宮部藍梨(18=神戸親和女大)の妹だ。ナイジェリア人の父を持ち、跳躍力など運動能力はすでに群を抜いている。姉とは入れ違いで入学したが「構え方や、スパイクの打ち方は『お姉ちゃんにそっくり』と言われます」とニッコリ。その上で「性格は逆」と姉との違いを説明する。

 「お姉ちゃんはクール。中高一貫だったので、先輩をよく知っているのもあって、自分は先輩とふざけたりするタイプです。似すぎていたら、相手に(特徴を)知られてしまう。(姉と)逆の部分もいいように持っていきたいです」

 現在は1年生で、この日も大活躍だった3年生の林琴奈主将(17)らに引っ張ってもらう立場になる。だからこそ「点が決まった時に、大げさに喜ぶ」と自己分析する愛芽世は「自分の個性を出して、若々しく、明るくいきたい」とチーム内での立ち位置を語る。

 ネット越しに対した東レは、16年リオデジャネイロ五輪日本代表の迫田さおり(29)らが、勝負どころで確実に得点を重ねてきた。「テレビで見ていた選手なので、どんな特徴か知っている。それでも実際に戦うと難しかった」。目標とするのは「『ここ』っていう時に、決められる選手」。高校バレー界屈指の強豪にまた、楽しみな存在が加わった。