東地区1位の栃木ブレックスが、同3位の千葉ジェッツに80-73で先勝した。決定数でリーグ最多の千葉の3点シュートに対してレギュラーシーズンでは見せなかった守備で対抗。エース富樫を成功0本に抑え、競り勝った。富樫とのガード対決では、田臥勇太(36)が要所でシュートを決めるなど勝利に貢献した。川崎、三河、A東京がそれぞれ先勝した。

 田臥を筆頭に、栃木の5人が最後までコートを走り回った。スピードのある千葉の富樫を2人で挟み込み、シュートもパスも許さない。第4クオーター(Q)残り3分で64-62と迫られたが、最後は7点差をつけ逃げ切った。外角からの攻めを抑え、許した3点シュートはわずか4本。千葉にはレギュラーシーズン終盤で唯一、同一カード2連敗を喫したが、その時とはまるで別のチームだった。

 田臥は2点差まで迫られた第4Q残り3分、チームを鼓舞するシュートを決めた。得点は4点だが、5アシスト。攻撃以上に守備で走り回り、相手のパスに飛びついた。富樫の6得点7アシストに及ばなくても、チームを勝たせる働きで経験の違いを見せつけた。

 4強に前進し、田臥は「今日勝ったことに重みはあるが、明日勝たないと意味がない」と気を引き締めた。そんな田臥をウィスマン監督は「富樫は得点能力が高いが、田臥はゲームをコントロールしチームを機能させる能力が高い」と高く評価した。