B1新潟アルビレックスBBは21、22日の第29節、島根スサノオマジックとアウェーの鳥取・米子産業体育館で対戦する。19日夜から20日にかけて長岡市から米子市までチーム史上最長の約750キロ、12時間のバス移動で現地入りした。中地区4位の新潟はチャンピオンシップ(CS)進出圏の同2位名古屋Dと3ゲーム差。残り7試合で逆転するには島根戦の連勝は必須になる。

 向かい合うべきは島根の前に、まず自分たちの体調だった。新潟のメンバーは20日、到着直後の午前11時から米子市内の体育館で練習をした。「ひと汗かかないと、体が動かなくなる。ケガも怖いしね」。庄司和広監督(43)はコンディション調整に慎重だ。

 深夜の大移動だった。19日午後11時に長岡市をチームバスで出発。北陸自動車道で近畿圏を通り、米子自動車道に乗って米子市へ。新潟は長距離でも陸路は新幹線を使うことはほとんどない。三遠、三河との対戦では愛知県まで8時間かけバス移動した。ただ10時間超えは初。「僕は車内で寝られる方だけど、それでも体調がどうなるか…」。冷静な五十嵐圭(37)も不安を口にしていた。

 チームバスは全37席で1人が2席ずつ使用できる。203センチ、132キロのダバンテ・ガードナー(26)は最後尾の5人席を独占。「寝る姿勢を変えながら体が疲れないようにします」。車内で各自が疲労軽減の工夫をした。

 阿部理一コンディショニングコーチ(43)は「シーズン前から、それなりに手は打っていました」。昨秋の開幕前から免疫力アップの効果がある乳酸菌量の多いヨーグルト系ドリンクを毎日摂取させた。環境が変わっても体調を崩す選手は少なくなった。この冬、インフルエンザにかかった選手もいない。

 主将の池田雄一(34)は気丈に言った。「bjリーグ時代もバスがほとんど。僕は慣れています」。庄司監督は「大変だが、これは言い訳にならない」と気持ちの引き締めを促す。CS進出には、もう1つも落とせない。西地区最下位の島根相手に連勝は最低条件。長距離移動をものともしない精神力も武器になる。【斎藤慎一郎】