世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が失格となる前代未聞の出来事が起きた。

ジョコビッチは、同27位のカレノブスタ(スペイン)と対戦。第1セットの5オールでジョコビッチのサーブ。15-40でブレークポイントを握られ、そこでポイントを失い、サービスゲームを失った。

その瞬間、後ろを振り向かず、ジョコビッチはボールをバックフェンス側にラケットで打った。それほど強くはなかったが、そのボールが線審の喉を直撃。ジョコビッチは、すぐに謝罪に駆けつけたが、線審は座り込んだ。

その行為に対し、大会のスーパーバイザー、レフェリー、主審が協議の結果、ジョコビッチは、失格となった。大会主催の米国テニス協会は「この失格により、ジョコビッチは、今大会で獲得した賞金、世界ランキングのポイントは没収され、後に罰金を科される」と発表した。

ジョコビッチは今季、負けなしの26連勝中だったが、初の敗戦が失格という後味の悪いものとなった。ジョコビッチは会見を行わず、自身のSNSに「本当に残念な結果となってしまった。故意ではなかったが、彼女(線審)に多大な迷惑をかけ、本当に申し訳ない。この行為から学び、自身の成長につなげたい」とコメントした。

過去には90年全豪男子シングルス4回戦で、7度の4大大会優勝を誇る悪童マッケンロー(米国)が、レフェリーに対する暴言で失格処分となった例がある。