昨年のアマ横綱・中村泰輝(日体大4年)が母校の海洋で教育実習に励んでいる。13日から始まった保健体育の教育実習は7月1日まで。“実習”直後にはワールドゲームズ(米国・バーミングハム=7月7~17日)に出場する。プロ志望で、すでに大相撲の幕下付け出しの資格を得ている。

    ◇    ◇    ◇  

中村は第2の故郷でリフレッシュしていた。石川県津幡町出身ながら能生中、海洋で6年間過ごした生徒寮に宿泊。先生たちが授業を見学する研究授業の準備など、忙しい日々を送りながらもパワーを充電させている。「地域の方々から『おかえり』と声をかけられる。うれしいですね。教員実習も知っている先生が多いから、楽しい」。

日体大1年時に全国学生相撲選手権で優勝し、学生横綱になった。昨年は全日本相撲選手権を制してアマ横綱のタイトルを手にした。大学4年の今年は日体大相撲部の主将として団体戦に重点を置く。「インカレ(11月)で団体2連覇したい」と言う。そんな中村にとって、母校の教育実習は原点回帰だ。「ここでの練習はつらい思い出しかない。それが今に生きている」と話した。

192センチ、170キロの中村が得意とする形は強烈な突き押し。ベンチプレス190キロのパワーの持ち主だ。7月1日に教育実習を終えると、同6日には相撲の日本代表として臨むワールドゲームズ出場に向けて渡米。4年に1度、オリンピック競技外の種目で行われる国際大会で腕試しする。「ケガなく1年を過ごして、次の道へ行く」と中村は、今年1年を角界入りヘの助走期間と捉えていた。

◆中村泰輝(なかむら・だいき)2000年(平12)6月7日生まれ。石川県津幡町出身。相撲は小1から津幡相撲教室で開始。海洋では1年のインターハイ個人戦で2位。3年の高校選抜十和田大会で個人戦優勝。192センチ、170キロ。血液型B。