日本体協の国体活性化プロジェクトは21日、開催都道府県が天皇杯(男女総合優勝)を獲得する慣例を排除するため、現行の参加得点や2~8位に与えられる得点を全廃し、各種目の優勝だけをカウントする新たな順位決定方法案をまとめた。来年3月の国体委員会に提出する。

 現行方式は優勝者が少なくても、多数の選手が出場して一定の成績を収めれば、得点が獲得できる。このため開催地が選手を移住させて戦力アップを図る「渡り鳥選手」が生まれる弊害が起き、居住実態のない選手が出場する問題も発生した。

 同プロジェクトの杉山茂座長は「原因は得点制度にある。全面改定しようということになった」と説明した。

 改革案には都道府県ごとに優勝者数が最多だった競技の数を競う方式や、各競技の成年、少年種別ごとに優勝者数を競う案などがある。

 既に強化を始めている今後の国体開催地や、強化費減につながる地方の競技団体などが反発することも予想される。